お城めぐりで出てくる言葉をやさしく解説
このブログを開始して約4か月。思いつくまま記事を乱発し、自分のブログは世間様にどのように読まれているのか気になり、チャットGPTに「天守探訪記」について聞いてみました。そこでは、このブログは専門的用語が多く使われておりライト層には届きにくいとの論評をいただきました。その通りだと思います。そこで、城郭初心者の方のために用語集をつくることにしました。この項は著作権に抵触しないように自分の言葉と手持ちの写真で説明しております。間違いもあるかもしれません。
そこで、これを名付けて「城郭検定に受からない用語辞典」といたします。城郭検定を受ける必要のある方はスルーしてください。ちゃんとした本が多分、本屋さんにあるはずです。
順次用語を増やしていきます。
☆ 用語一覧
–入母屋破風 -身舎 -入側 -廻縁
–唐造り天守 -天守台 -天守代用櫓 -天守と天守閣 –現存12天守
–本丸 –縄張り -山城
–層塔型天守
–望楼型天守
入母屋破風
日本家屋の屋根形式は、入母屋造・寄棟造、切妻造、宝形造などいずれかが採用される。入母屋建築が最も格式が高くお金も手間もかかる形式である。望楼式天守では、入母屋造り建物の妻側に必然的に設けられることになる。岡山城天守のように、この屋根形式が複数に重なる天守は、城郭建築の様式美で最高のものといえる。

犬山城二重目の入母屋破風
入側
天守の外壁に沿った廊下状の空間。「武者走り」ともいう。身舎(もや 母屋)の欄の画像をみてね。
唐造り天守
語源は「倉府見聞集」という文献で小倉城天守の事を指しており、最上階以外に破風を持たず、最上階の廻縁を雨戸で取り込んだために5階の方が4階よりも張り出て大きくなった。このような形であるため5階と4階の間には屋根がない。この破風なしで、屋根なし張出スタイルの天守は他藩に参考にされ類似のものが発生したため、現代の私たちが一括りに唐造り天守と呼んでいる。昭和の書籍では「南蛮造り」と紹介されているものも多い。
類例は
岩国城(3重と4重目が屋根なしで張出)
高松城(古写真有りで最上層4階が3階より張り出している。ただし多くの破風あり)
があるが、岩国城は望楼型で入母屋破風、高松城は層塔型だが、多くの破風あり(千鳥・唐破風)の天守で定義が難しいと思っている。
現存12天守
天守建築は現存例が極めて少ない。私たちが現在目にするのは市民の要望等を背景にした近代の再建例が多い。そのため、江戸期までに建造された天守12棟は、現存天守と云われ文化財指定を受けている。具体的には国宝が犬山、彦根、姫路、松江、松本、重要文化財が伊予松山、丸亀、宇和島、高知、備中松山、丸岡、弘前の計12城である。なお、弘前城と丸亀城は江戸期までは天守代用櫓で正式に天守とは呼称されなかった。
層塔型天守
下の重(階)から、規則的あるいは段階的に小さくなる天守。入母屋造りの建物の基部を持たない。望楼天守と比べて新式。

層塔型天守 丸亀城
天守と天守閣
「天守(殿守・天主・殿主」・・・てんしゅ)が学術用語、文化財指定として用いられている正確な名称であり、本ブログでもこれを用いている。「天主閣」は明治期あたりから、全国的に普及して、一般化された俗称である。城を観光ジャンルとして認識している一般の方・メディアの方は「天主閣」と呼ぶことが多く、城郭愛好家は「天守」と呼ぶのが一般的である。
天守台
天守の建物を載せるために存在する石垣や土壇。本丸内にひと際高く造成されるが、曲輪の角地を利用して天守を建てる場合もある。
天守代用櫓
幕藩体制が確立するに従い、新規の築城は規制され元和年間以降(1615年~)になるとその流れで天守を新設するのは特別な例外がない限り憚られるようになった。そこで、天守を持っていなかった藩が考えたのが、実質的な天守を建てても天守を名乗らない三重櫓である。主に東国の大名に多く、あくまで櫓です!と位置付けて御三階、三重櫓などと呼んでいた。「本音」と「建前」を使い分ける、実に日本的な御政道である。幕藩体制が崩壊した明治以降の弘前城と丸亀城は、晴れて天守を名乗っているが江戸時代は「櫓」であった。

縄張り
城の曲輪・堀・石垣などの配置。また,配置を定めること。
望楼型天守
天守の原型は御殿建物の入母屋屋根の上に展望のための上階(望楼部)を乗せたものといわれている。

望楼型天守 岐阜城
本丸
城の最終防衛拠点。一般的に天守も置かれる。本丸を守るため、周囲に二の丸、またその周囲に三の丸が順次防衛拠点として造られる。
廻縁(まわりえん)
天守の最上階にある物見のための回廊。高欄という欄干がセットになる。

身舎(もや 母屋)
天守の平面で外壁沿いに造られた廊下状の空間(入側といいます)に囲まれた部屋の空間部分。周囲が廊下に囲まれた内側の部屋をイメージしてください。

山城
文字通り山頂や山中に築かれた城の分類の一つ。城は戦闘防御の施設なので、高地に在る方が守り易く、山や丘の上に築かれることが多くなります。しかし城下町を運営したり、領主が居住したり、政庁として使う場合は比高が高い山では不便になるので、丘程度の所に築いた「平山城」や平地に築く「平城」が別に存在しています。何メートルの高さで山城になるのかの定義はありません。


