犬山城とは?初めての方でも分かる国宝天守の魅力を紹介。

各地の城

最近大ヒットした映画作品にある「国宝」という言葉から皆さん何を想像しますか。文化史的・学術的価値が極めて高く国民の誇るべき存在が指定されるのが国宝です。今回紹介する犬山城は戦国時代に建てられた天守がそのまま残る、日本でも数少ない“本物”の城です。木曽川の断崖に立つその姿は、初めて城を訪れる人にも「これは特別だ」と感じさせてくれます。

犬山城の基本情報(これだけの知識で十分楽しめる)

・所在地  愛知県犬山市 木曽川沿いの断崖(標高88メートルの丘)に建つ名城
      愛知県犬山市犬山字北古券65-2
・現存天守/国宝  
・築城時期 室町時代・1537年(天文六年)現存天守は1585年頃

▷アクセス・場所
・最寄駅 (名鉄犬山駅・犬山遊園駅 徒歩15~20分)
  ・名鉄犬山駅からなら徒歩約20分(城下町を楽しみながら歩くルート)
  ・犬山遊園駅からなら徒歩約15分(木曽川沿岸を歩く少し近いルート)
・駐車場は、周辺に数か所あります。立地によって駐車料金など違うようです。
 休日は混雑注意
・入場料:大人550円、子供110円 (2026年1月現在)
・営業時間:9:00-17:00(入場は16:30まで)
・所要時間:60~90分程度(目安です)





 

外観と立地 まず驚くのはこの立地と姿!

木曽川沿いに犬山城を見る。名鉄犬山駅を降り城下町観光を楽しみながら登城し、帰りは木曽川沿いに歩いてこの風景を目に納めます。その後は最寄り駅の犬山遊園駅へ向かいました。

犬山城は、木曽川を見下ろす断崖の上に建つ三重の天守が見どころになっています。この天守は富山城や清州城のような外観の分からない模擬天守のモデルにもなっている優れた外観を持っています。また、威厳のある外観に加え天守自体が日本最古のものといわれており、最上階から欄干のある縁へ出て木曽川と広大な濃尾平野の姿を見渡すことができます。

天守の廻縁から木曽川上流を望みます。写真で天守真下に川があり、断崖の上に建つ城であるのが分かります。

コンパクトで威厳のある天守の姿
犬山城は、城内に櫓や門が1棟づつありますが、どちらも昭和の模擬建築であり、見るべきところは現存している国宝天守一点に集中します。姫路城や松本城のような五重の大型天守でないのに国宝指定されているのは、建築年代の古さと堂々とした屋根の重なりが織りなす天守の原型のような様式美にあります。

犬山城天守は、基礎部分となる二重の御殿建築の上に、望楼部といわれる三重目が鎮座しています。三重目では、周囲を見渡すことのできる欄干付きの廻縁が最上階(四階)にあり、そこから外に出ると濃尾平野一帯を見渡すことができます。近年観光用に造られた(再興された)コンクリート造りの天守では、外に高欄と縁を巡らせたはものを普通に見かけますが、実際の木造建築では、自然の風雨に晒されて腐朽しやすく、内壁の中に取り込むか(現存例:松本、松江城)、外見だけをそのように見せかけるものが多かったようです。(現存例:彦根・伊予松山・丸岡城)

三重目の4階部分は外に出られる手すり付き(高欄)の縁側があります。安土城に始まる様式ですが、江戸時代の新しい天守では実際に外に出られない見せかけだけ天守が増えますので、とても価値があるものです。
鉄筋コンクリートで復元された城では新設されていますが、現存する城でこのように本物の縁に立って周囲を見渡すことができるのは犬山城の他には高知城だけです。風雨に晒され古びた欄干や床材に歴史の重みを感じることができます。

天守の中に入ると分かる“本物の戦国の城”の姿

現存している天守に入るとほぼ共通しているのは、上階へは急階段があることです。階段が急なのは、敵兵が簡単に上がれないようにするためといわれています。手すりもありますので気を付けて足元を確認しながらゆっくり上り下りしましょう。天守内で靴は脱いで見学します。(ただし、外では階段・坂道がありますので歩きやすい靴の着用をおすすめします。)
また、混雑日がありますので、できるだけ朝~午前中の訪問がおすすめです。

天守の一階に上がるためには、天守台の石垣の中にある階段を2回上がらないといけません。
2階から3階にかけては天井も高く、階段も長いので足を滑らせないように気を付けましょう。

場内は、靴を脱いで入ります。階段は急ですが幅の狭いほうが問題かもしれないので降りるときに手すりをしっかり掴んで転落をしないようにしましょう。また、犬山城は比較的に観光客も多いのでゆっくり落ち着いて見学したいときは、混雑しない朝方か閉館間際の時間帯がお勧めです。(開館時間9時から入城16時半まで)

内部の様子
犬山城天守の内部は、床や建物を支える柱や梁の構造など木材の質感を体験できます。
実際に訪問すると、歩くたびに響く床の軋み音や、多少くすんだ床や柱の色合いなど時の重みを味わうことができます。中は意外と窓が多く、日差しが室内の白壁を照らして思った以上に明るい室内になっています。
最上階は、室内に赤い絨毯が敷かれており、そこから外の縁に出ることができます。
犬山城を訪れると、このように戦国時代から残る木造天守の内部を体感することができます。

天守の内部。入側と呼ばれる廊下部分。窓と白壁で意外と明るい
天守の4階(最上階)。歴代の城主の肖像画が飾られているが、低い天井も張られている。画像左の方から外に出ることができます。

最上階からの眺めは、まさに別格!

天守のある城を訪問する最大の楽しみは、場外の眺めを堪能できることです。そこで見る風景は時代が違えども城主がみた景色と変わりはありません。犬山城の手すり越しにみる木曽川は上流から下流へと雄大な流れを見せています。また、窓越しに見る景色ではないので開放感が半端なくあります。木曽川側は絶壁になっているため、外気を顔に受けて下を見ると、想定した以上の高さを感じます。木曽川だけでなく遠くに目をやると、広大な濃尾平野とそれを取り巻く山々を視界に納めることもできます。この遠大な風景を眺めながら戦国武将の視点で、人々の営みを感じてみましょう。

木曽川越しに見る市街地です。川が自然の防御線となって、迫りくる敵の様子が手に取るように見えたでしょう。
こうしてみると、天守は川がほぼ真下の位置にあることがわかります。高所恐怖症の私には・・シャッター押す手が緊張しました。

だから最初の一城にお勧めしたいのが犬山城

以上のように犬山城は、初めての方でもお勧めできる「最初に訪れたい国宝天守」です。現代にも残った本物の建物で、難しい知識がなくても楽しめます。体感的な登城の面白さを満喫して、お城見学が面白いと思えるはずです。お城のふもとには三光稲荷神社というところがありますので時間に余裕のある方や、神社好きの方は犬山城とセットで訪問されると良いと思います。
その後に城下町を散策すると、レトロな街並みを体感できます。そこでは、いろんなお土産ショップや食事処が開業しています。食べ歩きでは「五平餅」という団子串型でタレをつけ焼いた餅が人気のようですが、他にも食べ歩くのに適したフード類の店舗が軒を並べていました。しばらくの間は楽しい観光地として滞在することができます。

最後に、ここまで犬山城とその周辺情報をお伝えしましたが、少し懸念があるのは「歩き」についてです。駅からやや距離があり、天守は急階段・城山へ急登の坂道があることを心に留めてください。高齢の方や足腰に不安のある方は無理をしない見学内容で計画されることをお勧めします。

名鉄犬山駅から城に向かう道すがら、楽しい食べ歩きショップの並んだ城下町の通りもありました。