日本には江戸時代以前に建てられた天守が現在まで残っている城が12あります。
これらは、「現存天守」と呼ばれ、日本の城郭建築を知るうえで貴重な存在となっています。
これらの現存天守は、規模や外観の意匠、建てられた年代など同じようなものが一つとしてなく個性的で、いずれも国宝や重要文化財として国の指定を受けており、実地において内部構造まで見学したい文化財となっています。
現存12天守とは
私たちが目にすることができる12棟の現存天守は、国宝指定が犬山城(三重)、彦根城(三重)、姫路城(五重)、松江城(四重)、松本城(五重)、重要文化財指定が高知城(四重)、伊予松山城(三重)、宇和島城(三重)、丸亀城(三重)、備中松山城(二重)、丸岡城(二重)、弘前城(三重)となります。なお、弘前城と丸亀城は江戸期までは天守代用櫓で正式に天守とは呼称されませんでした。
その美しい姿を紹介します。
・姫路城(兵庫県)
天守最盛期に造られた名城で国宝・世界遺産です。天守は五重六階地下一階。現在の華麗な「白鷺城」と呼ばれる天守を持つ築城者は池田輝政です。それ以前は黒田氏や羽柴秀吉(豊臣秀吉)の居城で、羽柴時代の天守は三重だったといわれています。姫路城の天守は、本丸内で五重の大天守を中心に3基の三重小天守を二重の渡櫓で連結する連立式天守といわれる構成となっています。

松本城(長野県)
姫路城と並ぶ貴重な五重の国宝天守です。白亜の外壁の姫路城とは対照的に、黒い壁面で水堀に浮かぶ姿が人気です。ライトアップされた夜景の天守も美しい城です。松本城天守は、大天守に三重小天守、辰巳櫓、月見櫓といった建築群を構成しています。見る位置によって、目に映る姿も多様になる美しい城です。
松本城の記事はこちら
・現存12天守を行く 松本城
・松本城天守は日本最古の層塔式五重天守か

松江城(島根県)
山陰地方唯一の現存天守で、別名を千鳥城といいます。外観は四重天守に分類されますが実質的には五重天守といってよい規模を誇る天守です。巨大な2基の鯱が天守最上階の屋根に据えられており、古城の貫録を誇ります。
松江城の記事はこちら
・【実体験】松江城(国宝天守)を訪ねてみた
・創築時の松江城天守外観について考察

高知城(高知県)
本丸御殿とセットで現存している天守。犬山城と同様に最上階に廻り縁と高欄があり、そこから城下を見下ろすことができます。大手門(追手門)も現存しており、天守以外の多くの現存建物を併せて見ることができます。

犬山城(愛知県)
日本最古の天守と紹介される国宝の望楼式天守。古城の貫禄十分で城内・城外の景観も良く観光客に人気の城郭です。
犬山城についての記事はこちら
・犬山城とは?初めての方でも分かる国宝天守の魅力を紹介

彦根城(滋賀県)
ひこにゃんという、着ぐるみキャラクターが人気の城。天守以外にも現存の建物が多く、庭園など見どころも多く来訪者に城郭の魅力を堪能させる城です。天守最上階からは琵琶湖や近江の国一帯を見渡すことができる絶景の城です。
彦根城についての記事はこちらへ
・【初心者向け】国宝・彦根城の見どころ完全ガイド|ひこにゃん情報も紹介

伊予松山城(愛媛県)
姫路城とともに連立天守の建築群を見ることのできる城です。高く積まれた石垣も美しく、山上へリフトやロープウエーを使っての登閣が楽しめる城です。大天守に観覧するとともに、復元された小天守・隅櫓を周回すると連立天守の魅力に触れることができます。

宇和島城(愛媛県)
四国の愛媛県宇和島市にあり、築城名人といわれた藤堂高虎によって築かれた城です。現存天守は江戸時代中期に建てられた二代目です。江戸時代に建てられた典型的な層塔式天守の現存例です。

丸亀城(香川県)
丸亀城は、高く積まれた石垣が名高い名城ですが、天守も現存しており内部を観覧することができます。小ぶりな天守ながら独立丘の頂に立地しているので、城下の至る所から目にすることができるシンボルタワーのような存在です。

備中松山城(岡山県)
山城の分類で現存する唯一の天守。最近は雲海に浮かぶ天空の城として紹介されることも多い城です。二重で二階の天守は現存唯一で、複雑な外観をしているのもこの天守の特徴です。

丸岡城(福井県)
天守は梯子のような急階段で戦国の古城の風格を感じられる名城です。北陸唯一の貴重な現存天守です。材木の素朴な質感が感じられる二重三階の天守です。
丸岡城についての記事はこちら
・【実体験】 丸岡城天守(重要文化財)を訪ねてみた
・現存最古と呼べなくなった丸岡城天守を考察する

弘前城(青森県)
筆者未踏地にして写真なしです。すいません、近いうちに訪問します。
このブログで記事のあるものは、城名にリンクを貼ってあります。是非ご訪問ください。
おまけ
熊本城三の天守宇土櫓(熊本県)
三重の櫓ですが内部は5階地下1階の構造で、二重の続櫓と連立しており天守として扱っても構わないのではないかと個人的には思っている建造物です。2026年現在、震災後の解体修理中で観覧することができません。一日も早い復旧と公開が待ち望まれます。
熊本城についての記事はこちら
・熊本城 三の天守という宇土櫓の謎 1
・熊本城 三の天守という宇土櫓の謎 2
・熊本城 三の天守という宇土櫓の謎 3
・熊本城 三の天守という宇土櫓の謎 4
・熊本城 三の天守という宇土櫓の謎 5

天守探訪記では、現存天守をはじめ全国の城を実際に訪問して紹介しています。
そして、今回までに記事にできなかった現存天守も随時更新していきますので、ご期待ください。


