国宝天守5城を徹底比較|姫路・松本・犬山・彦根・松江どこに行くべきか?

城初心者ガイド

わが国で現存している天守は12城。このうち国宝指定を受けているのは5城です。 
 姫路城。松本城。松江城。犬山城。彦根城。
この5城をどこから訪問するのが楽しいか考えてみました。

実際にすべての城を訪れた経験から、それぞれの違いを分かりやすくまとめました。

■ まず結論 | 迷ったらこの城がおすすめ

国宝5天守(姫路城・松本城・犬山城・彦根城・松江城)は、それぞれに個性があり、どこを重視するかで最適な城が変わります。
目的別におすすめをまとめると、以下の通りです。

■ 初めての城巡りなら
 ⇒彦根城
  規模・見やすさ・アクセスのバランスが良く、満足度が非常に高い天守です。
  
■ 規模・迫力を重視するなら
 ⇒姫路城
  現存天守の中でも圧倒的な大きさと完成度を誇り“日本一の天守”といえる存在です。

■ 写真映え・外観の美しさなら
 ⇒松本城
黒漆塗りの天守と水堀の対比が美しく、どの角度から見ても絵になる名城です。

■ アクセス重視・気軽に行くなら
 ⇒犬山城
  最寄りの駅から近く、都市部からのアクセスも良好。短時間でもしっかり楽しめます。

■ 渋い構造や歴史ロマンを感じるなら
 ⇒松江城
  実戦的な構造が色濃く残り、重厚で落ち着いた魅力を味わえる天守です。

どの城も一度は訪れる価値はありますが、「自分の目的」にあった城を選ぶことで満足度は大きく変わります。

■ この記事でわかること

本記事では、国宝5天守を以下の5つの視点で比較しています。
・規模(天守の大きさ・構造)
・意匠(外観の美しさ・特徴)
・歴史価値(保存状態・背景)
・見学満足度(内部公開・体験)
・アクセス(行きやすさ)
👉「どの城に行くべきか迷っている方」は、この記事を読めば自分に合った城が見つかります。

■ 先に比較結果を見る

👉 忙しい方は、まずこちらをご覧ください 

国宝5天守とは?(基礎知識)

国宝に指定されている天守一覧
・姫路城(兵庫県)

世界遺産に指定されている姫路城は、日本文化の象徴といっていい存在。木造ながらも優美な白亜の姿は白鷺城と呼ぶに相応しい美しさです。


・松本城(長野県)

五重の黒壁の天守が水堀に面して建てられており、姫路城とは異なる日本的な美しさを誇る国宝天守


犬山城(愛知県)

日本最古といわれる天守は、安土城に始まる天守建築の原点の姿を今に伝えています。


彦根城 (滋賀県)

かつての望楼式天守(大津城)の原型が分からなくなるほどの装飾過多なお洒落な天守を持つ彦根城。


松江城 (島根県)

四重の天守ながら実質的には五重の規模を持つ。入母屋破風を効果的に組み合わせて重厚感を演出する国宝天守。

現存天守とは何か
天守建築は現存例が極めて少なく、江戸期までに建造され残存している12城の天守は、現存天守と云われ文化財指定を受けています。このうち国宝指定を受けているものは姫路、松本、犬山、彦根、松江、重要文化財指定が伊予松山、丸亀、宇和島、高知、備中松山、丸岡、弘前の計12城です。なお、弘前城と丸亀城は江戸期までは天守代用櫓で正式に天守とは呼称されていませんでした。現在私たちが目にしている天守は、市民の要望や観光を目的とした近代の再建・新造が多く現存天守は、「本物の天守」ということになります。

なぜ5城が特別なのか
現存12天守のうち、国宝に指定されている5城は規模が大きいだけではなく、年代的にも築城最盛期に築かれたのものです。大坂の陣までのいわゆる戦国時代に建てられた実戦的な城で特別な価値を有しています。

評価基準について(★の付け方)

規模(天守の大きさ・構造)
・屋根の重数(三~五重)内部階、地階の有無、初層の平面規模、小天守の有無

意匠(外観・美しさ)
・破風(はふ)の位置・数・種類、外壁の意匠、城内外から見上げた景観

歴史価値(保存状態・背景)
・建造年、築城主、戦歴

見学満足度(内部公開・体験)
・内部公開範囲、展示品、最上階からの展望

アクセス(行きやすさ)
・公共交通機関の利便性。
 アクセス評価は「主要都市からの鉄道アクセス(新幹線・在来線)」
 と「最寄駅からの距離・利便性」を基準にしています。

国宝5天守の比較一覧(★評価)

国宝五天守を「規模・意匠・歴史価値・見学満足度・アクセス」の5項目で比較しました。どの城に行くべきか迷っている人は、まずはこの一覧をご覧ください。

城名規模意匠歴史価値見学満足度アクセス一言評価
姫路城★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★完成度・規模ともに圧倒的な“日本一の天守”
松本城★★★★☆★★★★★★★★★★★★★★☆★★★☆☆水堀に映える黒い外観が美しい天守
犬山城★★★☆☆★★★★☆★★★★★★★★★☆★★★★★現存最古といわれる天守で抜群の立地
彦根城★★★☆☆★★★★☆★★★★★★★★★★★★★★★バランス最強で初心者に最適
松江城★★★★☆★★★★☆★★★★★★★★★☆★★★☆☆実戦的構造と戦国古城の貫録が魅力

この比較からわかる通り、
・総合力で選ぶなら「彦根城
・圧倒的な規模なら「姫路城」
・外観美なら「松本城
など、それぞれに明確な特徴があります。

各城の評価と見どころ(比較レビュー)

姫路城
・総合評価:国宝天守だけでなく周辺の櫓や門など多く残り、城全体の魅力を満喫できる城。
・一言レビュー:いろんな角度から圧倒的規模の天守を鑑賞できる。 
・強み:関西圏に存在し新幹線、山陽本線のアクセスが良く訪問日程作りが容易。
・注意点:観光客が多すぎて、集中して観覧しづらいかも。

松本城
・総合評価:白壁の姫路城と対をなす黒壁の松本城の美しさは最高級。
・一言レビュー:水堀上にライトアップされた夜の天守が美しい。
・強み:国内唯一の複合連結式といわれる天守で、2つしかない現存五重天守の一つ。
・注意点:訪問日は天守入城で行列に並びました。訪問時間帯は昼時は避けた方が良い。
・詳細記事はこちら⇒現存12天守を行く 松本城
          松本城天守は日本最古の層塔式五重天守か

犬山城
・総合評価:日本最古の国宝天守。望楼式という天守様式の美観を見せる。
・一言レビュー:見どころが、ほぼ天守一点に絞られるがコンパクトな城ともいえる。
・強み:国宝天守唯一の高欄廻縁から身を乗り出し濃尾平野を一望できます。
・注意点:急傾斜の階段注意。
・詳細記事は⇒犬山城とは?初めての方でも分かる国宝天守の魅力を紹介。

彦根城
・総合評価:天守以下、門・櫓・堀・御殿(博物館)・庭園など全部セットで見られる城。
・一言レビュー:アクセスも良く、観光ニーズや時間に合わせ観覧しやすい城。
・強み:姫路城と同様に現存建築物が多いため、リアル戦国時代を感じられる。
・注意点:城は小丘の上にあるので、石段多く歩行中の怪我は注意です。
・詳細記事はこちら⇒国宝・彦根城の見どころ完全ガイド

松江城
・総合評価:武家社会の息吹を感じさせる戦国古城の貫録。
・一言レビュー:出雲大社とともに押さえたい山陰旅行必須の観光地。
・強み:宍道湖や伯耆大山を最上階望楼から一望に眺めることができる。
・注意点:本丸は丘の上にあるので、石段が続く。夏場は暑さに注意。
・詳細記事はこちら→【実体験】松江城(国宝天守)を訪ねてみた
          創築時の松江城天守外観について考察

比較してわかる!5天守の違いと選び方

・規模で選ぶならどこか
姫路城が群を抜いて規模が大きく、これに松江城・松本城が続きますが、天守以外の城内エリアを散策したい方は松江城のほうがおすすめです。三重天守は彦根城と犬山城の2城ですが、天守のみの規模なら犬山城、城全体の規模なら彦根城です。

・美しさ・意匠で選ぶなら
白亜の五重天守の姫路城と多くの破風を屋根に備えた装飾性の高い彦根城天守がおすすめです。
ただし、その他の3城も意匠を凝らして建造されており見る目を飽きさせません。

歴史ロマンで選ぶなら
濃尾平野に位置し、また、小牧長久手の戦いや関ケ原の戦いにおける西軍の重要拠点となった犬山城がおすすめ。天守の最上階から濃尾平野を同じように眺めた戦国武将達に想いを馳せましょう。

・観光しやすさで選ぶなら
松江城と松本城は市街地にありますが、三大都市圏から離れたところにあるので、鉄道からのアクセスという点で、新幹線の停車駅である姫路城、東海道本線下車の彦根城、名古屋市からアクセス抜群の私鉄沿線にある犬山城が、観光しやすいと思います。

初心者向け|失敗しない城の選び方

・日帰り、旅行別のおすすめ
地元の方を例外として、松本城と松江城は地方都市にある城なので、長野旅行(松本城・上高地など)、山陰旅行(松江城・出雲大社など)等の宿泊や他の観光地とセットで訪れると良いのではないでしょうか。彦根・姫路・犬山城は交通アクセスが良いので日帰りなどの時間調整が必要な旅行計画に、スポットで組み込みやすいのではないかと思います。

・季節ごとのおすすめ
 桜が美しい城(彦根城・姫路城・犬山城・松本城・松江城)
どこにも桜は植樹しており、桜を背景にした天守は楽しめますので開花情報や混雑状態を見て訪問先を判断しましょう。

 暑さ対策。(経験的に言うと、復興・模擬天守のような近代建築ではないので冷房は期待できません。彦根城や松江城は石段が多くて暑さで体力を消耗した記憶があります。川べりの犬山城か高地の松本城が若干涼しいかもしれませんが、軽装とタオル所持はあった方が良いと思います。

松江城。撮影日2015年7月25日午後。山陰地方でも真夏の晴天日は酷暑になります。写真撮影も早々に売店に駆け込む暑さで、後年撮影のため日を改めて、再訪しました。

 紅葉の季節を楽しめるよう各城とも植樹がされています。彦根城の訪問時は紅葉が見事でした。

彦根城。撮影日2020年11月21日午後。紅葉は山上のせいか葉がかなり落ちていたような記憶があります。
姫路城。写真撮影日は2025年11月19日午後。紅葉には少し早い時期のようでした。

 山上に登る石段がある城は、積雪の日は足が滑らないよう気を付けましょう。夏の逆で暖房の空調は期待できないので動きやすい防寒着の着用に気を付けましょう。

城巡り初心者の注意点
概ね共通して言えるのは、天守は小山の頂部にあるので、夏は石段、天守階段を登り暑く、冬は強い風に吹かれやすいことでしょうか。服装(軽装・重装・履物)は留意した方が良いと思います。春と秋のシーズンが、樹々の風景とマッチして最良なのはいうまでもありません。

よくある質問(FAQ)

国宝5城は全部回るべき?
それぞれに、個性があり見どころがあります。無理に一度の旅行で回るのではなく、時期を分けて計画的にゆっくり訪問されると良いと思います。

所要時間はどのくらい?
それぞれに違いがありますが、城郭の規模が大きな姫路城や彦根城はゆっくり見れば2時間くらいはかかるかもしれません。見どころが天守に集中する松江城・犬山城・松本城は空いていれば1時間での見学も可能と思います。

一番混雑する城は?
季節や曜日によると思いますが、姫路城と松本城は、私は天守に入場する際、行列に並びました。彦根は大丈夫でした犬山は大丈夫でしたが、入場者は多かったです。松江城は、混雑していましたが行列には並んでいません。ただし週末に訪れた知人は入り口が行列だったと聞きました。どの城も時間帯・曜日で混雑してしまいますので天守に入るのは開城直後、閉城前の空いた時間を狙いましょう。

雨や冬でも楽しめる?、
雨天日は、足元が悪く写真撮影も大変ですが、その分天守内部をゆっくり観覧しましょう。冬場も天守内部は窓が小さい(少ない)ためか比較的寒くないと思います。雪の積もった日は、坂道が多いので滑らないよう足元注意です。